ドリーム・アイランド ーヴィム・ヴェンダースの失われた夢
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恋人を失った女性(ふみ)が見ている東京は、彼女だけの空間。彼女にとっては、今一番大切なのは想い。そして、東京の新宿公園に毎日のように出かけ、街中の音をDATで拾い集めている男(ダットマン)にとっては、音の方が良く見える。だから、彼の見る空間はとても絵的。子供の目は、大人たちが見る見方とは常に異なっている。夢だって違う。純粋な気持ちを忘れるように大人たちは、いつからか「モノ」にこだわっていく。「モノ」は、いつかはクズになる。しかし、イメージはどうだろうと、観察者(ウォッチャー)と名乗る男(ヴイム・ヴェンダース)は問いかける。東京の子供たちの笑い声は、さまざまな夢の空間から私たちを解き放ち、目覚めさせてくれる。少年(大ちゃん)は、そんな大人たちの思考経路に関係なく、どこかで全員と巡り合って、その人生の中の一時に関与しているのだ。夢の島を、一緒になって歩いているのだ・・・。